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わかれについてのエトセトラ
¥700
「別れ話」という語からは「恋愛」が連想されがちだけど、「別れ」はどんな関係にも訪れる。その話をしたいし、聞かせてほしい。 小説、詩、エッセイ、手紙、ブックガイドetc etc……さまざまに語られる、恋愛”以外”の別れ話をあつめたアンソロジーです。 【収録作】 「冬生まれの、Mへ」そらしといろ(手紙) 「追ふ」佐々木紺(俳句・エッセイ) 「いつか地層の」平田有(詩) 「縦眼の王の国」くるくる(小説) 「ミサキの逃亡」正井(小説) 「椿堂念珠(略式36Ver.)」(磯崎愛) 「周囲から理解されにくい移籍をしたサッカー選手の推しを懲りずに推し続けている私の話」松本てふこ(エッセイ) 「残響を聞いている」わたぬき(エッセイ) 「別れ話のおはなし」みやさと(ブックガイド) 「なりたかったな」山中千瀬(短歌) 「ミュージック・ビデオ」穂崎円(短歌) 「さよならの断片、あるいは前世の記憶」柳川麻衣(エッセイ) 「コヨーテ」オカワダアキナ(小説) 「来世は貴方になりたいと」青葉える(小説) 【仕様】 2024年12月1日 発行 アンソロジー|B6|142頁|表紙用紙 ゆるチップ(そら)
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ロータス
¥1,500
誰かと生きてゆくこと、名づけられない関係を結ぶこと…… 「好き」という感情だけのつながりは、何故こんなにも儚いのだろう? 幼稚舎から大学まで一貫の名門・私立華胥女子学院を縁に蓮実と出会い、関わり、行き過ぎていった少女たちの連作七篇を収録。 【収録作】 ずっとこのまま、完璧に幸せなままで、いられたらいいのに―― 五月の晴れた日曜日、桃重は大学生になってから疎遠になっていた蓮実とピクニックに出かける。 かつての親密さを取り戻して二人で過ごした幸福な一日の終わりに、それでも不安になるのはなぜだろう? ――「ロータス」 「僕たちだけは変わらないでいよう」 少年どうしの純粋な友情に憧れる桐は、同級生・李里と親交を深め、OBの蓮実に惹かれて入った演劇部で理想の少年を演じることに熱中する。 永遠の友情を誓いあった桐と李里だが…… ――「リップスティックのL」 叶わない片想いの果てに失恋を繰り返し「修道院に入る」が口癖の菫子と、彼女を慕う後輩の紫苑。 ついに本気で神の花嫁への道を模索しはじめた菫子につきあって教会に通ううちに、菫子と一緒なら修道生活も悪くないと紫苑は思い始める。 ――「シスター」 ランジェリーを買うことに抵抗のある女子大生・ゆりのは、雑貨屋のような下着屋ブーケドゥリスで美人店員・桃重を通して彼女の友人・蓮実の家で「おとめ下着パーティー」をすることになる。 古い一軒家にひとりで住み、三十を過ぎて少年のような体つきの蓮実に、ゆりのは惹かれていく。 ――「リリイ」 「男装の麗人」はいつか必ず生身の女に戻るしかないのか? 美しい王子の姿のままで、幸せになることはできないのか? ライヴ会場で出会った蓮=蓮実に憧れてゴス・ファッションになり男装で通す茉莉花は、ロリータ男子の柊と結婚することでその答えを出そうとするが…… ――「トランスヴェスタイト/クロスドレッサー」 浮いた服装で、手の届かないミュージシャンに憧れて、自分だけがいつまでも取り残される…… 焦りと諦めを抱えている美桜が、結婚を控えた幼なじみの知映理に聞かされた意外な言葉。 2012年、あの震災から一年が過ぎた春の東京。 ――「ライフ・イズ・スパイラル」 母の茉莉花と大喧嘩し、親友・柘榴との関係も微妙で居場所がなくなった沙羅は、卒業生名簿を頼りに蓮実の家を訪ねる。 居候させてもらった古い一軒家の屋根裏で、深夜の浴室で、沙羅は意外なものを目にする。 柘榴の家には、柘榴が血の繋がった親よりも懐いている老女・桃重が暮らしていて…… ――「ロータス2」 【仕様】 2024年5月19日 新装2版発行 小説|文庫版(A6)|420頁|フルカラーカバー付 【ご感想まとめ】 https://togetter.com/li/417701
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日記に幕は下りません
¥800
歌人の笠木拓さんと柳川麻衣が2019年11月から2020年10月までやりとしていたオンライン交換日記『日記に幕は下りません』が本になりました。 読んだ本や観た映画のこと、感染症の不安など、日々の生活の記録です。 文庫版(A6)|172頁|フルカラー表紙・本文色刷り
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胡蝶 痛覚懐古作品集2006
¥500
同じ少女の夢を繰り返し見る青嗣、人形のように着飾って夜毎散歩に出かける春生、春生が恋するヴォーカリスト・セイイチ。 痛覚・柳川麻衣の名義で初めて作った2006年のコピー誌収録の二篇を完全復刻。 【収録作】 「――俺がいなくても、どうということはないんですよ、本当は」 「――俺がいなくても、勿論いても、世界はちゃんとまわる。だから誰に何を望まれても、重荷だと感じることは何もないです。大丈夫です」 ―「胡蝶」 イヤフォンを耳に押し込み、周囲をシャットアウトして深くいきをつくとき、春生はいつも兄を思って少し胸が痛む。身を守るものを何ももたずに、体ひとつで現実の中にいたから、兄はあんなことになってしまったのだ。無理もない。 ―「夢のなかで、ふるえながら」 【仕様】 2022年5月29日 発行 小説|文庫版(A6)|84頁|表紙用紙 ファンタス(ブラック)
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浅い傷 痛覚懐古作品集1999-2019
¥500
14階建ての巨大団地に暮らす大学生だった1999年から、何度かの引越しののちにひとり暮らしの最後の部屋に流れついた2019年までの20年、おもにウェブサイト「痛覚」などインターネットで公開していたテキスト15編を収録。 【収録作】 痕 海 新宿西口 夏休み 水族館 居場所 地獄 ヒットチャート 箪笥 折り鶴 ディズニーランド 空中楼閣 エトランゼ 生活 ラジオ、環八、夜更けのTSUTAYA 【仕様】 2022年5月29日 発行 小説|文庫版(A6)|70頁|表紙用紙 ファンタス(レッド)