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日記に幕は下りません
¥800
歌人の笠木拓さんと柳川麻衣が2019年11月から2020年10月までやりとしていたオンライン交換日記『日記に幕は下りません』が本になりました。 読んだ本や観た映画のこと、感染症の不安など、日々の生活の記録です。 文庫版(A6)|172頁|フルカラー表紙・本文色刷り
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胡蝶 痛覚懐古作品集2006
¥500
同じ少女の夢を繰り返し見る青嗣、人形のように着飾って夜毎散歩に出かける春生、春生が恋するヴォーカリスト・セイイチ。 痛覚・柳川麻衣の名義で初めて作った2006年のコピー誌収録の二篇を完全復刻。 【収録作】 「――俺がいなくても、どうということはないんですよ、本当は」 「――俺がいなくても、勿論いても、世界はちゃんとまわる。だから誰に何を望まれても、重荷だと感じることは何もないです。大丈夫です」 ―「胡蝶」 イヤフォンを耳に押し込み、周囲をシャットアウトして深くいきをつくとき、春生はいつも兄を思って少し胸が痛む。身を守るものを何ももたずに、体ひとつで現実の中にいたから、兄はあんなことになってしまったのだ。無理もない。 ―「夢のなかで、ふるえながら」 【仕様】 2022年5月29日 発行 小説|文庫版(A6)|84頁|表紙用紙 ファンタス(ブラック)
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浅い傷 痛覚懐古作品集1999-2019
¥500
14階建ての巨大団地に暮らす大学生だった1999年から、何度かの引越しののちにひとり暮らしの最後の部屋に流れついた2019年までの20年、おもにウェブサイト「痛覚」などインターネットで公開していたテキスト15編を収録。 【収録作】 痕 海 新宿西口 夏休み 水族館 居場所 地獄 ヒットチャート 箪笥 折り鶴 ディズニーランド 空中楼閣 エトランゼ 生活 ラジオ、環八、夜更けのTSUTAYA 【仕様】 2022年5月29日 発行 小説|文庫版(A6)|70頁|表紙用紙 ファンタス(レッド)
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飛ぶ夢をみたことがない
¥400
廃墟のホテル・滅亡しかけた星・美しい幽霊・人が落ちてゆく都市・夢のなかで飛ぶ子どもたち…… 2011年から2019年にかけて、好みのパーツばかりを選んで組み上げた箱庭にキャラクターを配置し動かして遊ぶように、そして好きな音楽にインスパイアされて書いた短篇・掌篇の再録集。 【収録作】 「空の鳥籠」 初出:2018.05.20 #シズムアンソロウェブ企画(うさうららさま主宰) http://usaurara.hatenablog.com/entry/2018/04/22/133744 〈共有設定〉 白い船は山の緑に湛(しず)んでいた。戦前に建ったホテルはすっかり朽ち、それがかえってアールデコ様式の退廃美をかがやかせている。リノベーションの話が持ち上がり、男は現地調査に来たのだった。暗い建物を抜け、鳥籠のようなシルエットの真ん中に立つ。屋根の墜ちた廃温室だ。 「冬の惑星」 初出:2011.06.12 『ROCK音楽×創作小説企画 感応ノイズ』(Lumiereさま発行) inspired by Winter,again/GLAY 「逢瀬」 初出:2015.09.20 『BL俳句誌 庫内灯』 inspired by 墓のうらに廻る/尾崎放哉 「なにもうまれない街」 初出:2017.06.21 #さみしいなにかをかく 街から子供がいなくなった日、うそのようにきれいな波打ち際でコーヒーの正しい淹れ方について揉める話をしてください。 「飛ぶ夢をみたことがない」 初出:2016.05.04 『THERE'S A VISION -Tribute to ZABADAK』(冬青さま発行) inspired by 飛行夢/ZABADAK 「雨の庭」 初出:2019.09.08 書き下ろし 【仕様】 2019年9月8日 発行 小説|文庫版(A6)|84頁|表紙用紙 地券紙|ダークブルー・黒二色刷|
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4:00
¥300
活動停止してしまったヴィジュアル系バンド「セイレーン」のギタリスト・しのぶと、ヴォーカリスト・れいら。 寂しがりなふたりの、なにげない場面を切り取った掌篇集。 ※「女の子と女の子が結婚する世界」を描いた二人誌『Wedding Invitation』収録の「ついの棲みか」と世界観を共有していますが、それぞれ独立したお話として読めます。 【収録作】 デスクトップPCのモニタで裸の女が微笑んでいる。いっけん違和感のない画像の、首から上はれいらだったが、首から下はどこの誰ともわからない少女の裸体であることが、しのぶには一目でわかった。 ――「あけがたの人魚」 「だれでもいいの? 相手」 ギターのしのぶが興味なさげに訊いてくる。れいらは首をかしげた。 「だれでもよくはない、かな? なるべく興味のないひととか、どうでもいいひとのほうがいいかな」 ――「あけがたのコンフェッション」 それでもキーはためらわない。静かに息をひとつ吸う。 背後からヘッドフォンを奪い取ると、しのぶは長い睫毛を二、三度瞬かせて目を開け、ゆっくりと頭をめぐらせた。 ――「午後四時の憂鬱」 【仕様】 2018年11月25日 初版発行 小説|文庫版(A6)|44頁|表紙用紙ファーストヴィンテージ(ターコイズ)白黒二色刷|本文用紙コミックルンバ(ピンク)